この記事では、SaaSビジネスを理解するために知っておくべき財務指標を6つご紹介します!
転職市場において人気が高まっているSaaS業界。
そのビジネスモデルの特殊性から、SaaSでは他の業界では馴染みのない財務指標で企業の成績やビジネスの好不調を測ることがあります。
今回はSaaSへ転職したい・詳しく知りたい方に向けて、実際にSaaSで働いている筆者より、SaaS業界で用いられる指標を6つご紹介します。
今回ご紹介する指標以外にも重要なものはありますが、現場のレベルでも話が出てくる、最低限抑えておきたい指標をまとめています。
目次
前提:SaaSのビジネスモデル「THE MODEL」と継続課金
THE MODEL型組織
SaaS企業の多くは、セールスフォースが発端の組織形態「THE MODEL」を土台として作られています。
ざっくり言えば営業組織を役割分担、細分化しているようなイメージです。
SaaSを目指す、または知りたい方は指標よりもまずはこのモデルを理解することが大前提となります。
上記の書籍で詳しく解説がなされているので、一読することをおすすめします。
継続課金(サブスクリプション)
SaaSビジネスのもう1つの特徴は、買い切り型ではなくネットフリックスのような継続課金、いわゆるサブスクリプションの形態をとっていること。
SaaSでよく使われる指標はこのサブスク型ビジネスを評価するのに役立つ指標となります。
SaaSを理解するための指標
成長性
MRR(月間経常収益)
重要指標の1つ目は、成長性を見ることができるMRR(月間経常収益)です。
これは顧客から得られる1ヶ月の収益額の合計を指します。
新規顧客が増え続けていたり、また既存顧客の単価が上がれば、MRRは上がります。
継続して新規顧客を獲得できている、また既存客が離れていないか(つまりいいサービスか)、を見る重要指標です。
ARR(年間経常収益)
MRRの年間バージョンです。年間という長い単位で見るため、長期的な計画や成長率を見るためによく使われます。
また、年間契約のサービスであればこちらのARRを見ます。
効率性
LTV(ライフタイムバリュー 顧客生涯価値)
一人の顧客が契約期間中にどれだけの収益をもたらしてくれるか、の指標です。
計算式はいくつかパターンがありますが、LTV=平均利用額×想定平均利用年数×粗利益率で求められます。
計算式を見ると、顧客に長く使ってもらうこと、そして高い利益率を重視することでLTVは高めていけます(金額は高くすればいいってもんでもないのであえて除いてます)
その事業の継続性や効率性を見るために使われます。
CAC(顧客獲得単価)
一人の顧客を獲得するためにかかった費用の平均値を表す指標です。
この数値が低いほど効率的に顧客を獲得できていると言えます。
こちらも計算式はいくつかパターンが見られますが、土台の考え方はコスト÷獲得顧客数となります。
ユニットエコノミクス
LTV÷CACで求めることができる指標で、新規顧客獲得にかかったコストと比較して何倍の収益を得られているか、を見る指標です。
1を下回っている場合はコストが収益を上回っている、つまり赤字の状態と言えます。
逆に健全な数値の目安は3以上と言われています。
継続性
チャーンレート(解約率)
言葉の通り、解約した顧客の割合を示す指標です。
企業がサービスを解約する理由は様々ですが、裏を返せば解約するのには何かしらの理由があります。
したがって、解約率が高いサービスは改善の検討が必要であると言えます。
安定したサービスを提供している企業に転職したい、という思いがあるならば、この解約率は1つ参考になる指標です。
おまけ:指標を知るために参考になるサイト
本文でも少し触れていますが、各指標の計算式は求める視点や意味合いによって若干変わることがあります。
以下に僕も参考にしているサイトを掲載しておくので、併せて見ていただけるとより理解が深まるかと思います。
https://ad-lp.news.mynavi.jp/blog/saas-kpi (マイナビ運営のHP。おすすめ書籍もあり)